鳥取大学農学部 Faculty of Agriculture, Tottori University

教員詳細

教授

遠藤 常嘉

Tsuneyoshi ENDO

所属
生命環境農学科
担当教育コース
国際乾燥地農学
教育研究分野
乾燥地環境資源学
主な担当科目
無機化学,環境土壌学,土壌化学
研究に関連する高校教科

研究の概要

乾燥地域における環境資源の潜在的な可能性を探る

乾燥地域における適切な農地管理法を確立するため,灌漑に伴う土壌中の塩類動態および土壌塩類化の機構解明を行なっています.特に,塩類の溶解平衡論および土壌のイオン交換平衡論を理論的手法とした,土壌ソーダ質化の機構解明を行い,ソーダ質土壌の修復方法について検討しています.さらに,食品廃棄物や家畜排せつ物を再利用した土壌改良資材としての活用に関する検討を行なっています.

乾燥地域における灌漑農地

乾燥地域における灌漑は諸刃の剣である.そのため,土壌中の塩類状況に留意しながら農業生産を行う必要がある.((a) 点滴灌漑(メキシコ合衆国),(b) 畝間灌漑(中国),(c) 塩類土壌下で懸命に生きる植物(メキシコ合衆国),(d) 塩類集積放棄農地(カザフスタン共和国))

主な研究テーマ

乾燥地域における灌漑に伴う土壌劣化の要因解析

乾燥地域における灌漑農地の土壌劣化として,塩類土壌がある.塩類土壌には塩性土壌とソーダ質土壌があるが,それら二つの塩類土壌は,化学性,物理性,形態,成因など,様々な点で大きく異なっている.本分野では,塩類の溶解平衡論および土壌の陽イオン交換平衡論を理論的手法とし,それらの成因の差異について検討している.そしてさらに,塩類土壌(特に,ソーダ質土壌)を修復するための相応しい改良剤の検索を行なっている.これまで,主に,メキシコ合衆国,中国,カザフスタン共和国の灌漑農地を対象に行なっている.

乾燥地域の灌漑農地における土壌断面調査(メキシコ合衆国カリフォルニア半島)

土壌中重金属類の原位置不溶化技術の開発

日本国内においては,農耕地を中心として鉱山開発等に起因した重金属類による土壌汚染およびそれによる健康被害が報告されている.本分野では,畜獣骨残渣や魚骨由来のハイドロキシアパタイトを用いた土壌中重金属の原位置不溶化に着目し,ハイドロキシアパタイトの重金属不溶化能とその発現機構,植物への重金属吸収抑制効果とその持続性について検討している.さらに,重金属不溶化でよく用いられる資材とハイドロキシアパタイトとの組み合わせが,重金属不溶化および植物への吸収抑制に与える効果についても検討している.

重金属汚染土壌への資材添加割合の増加に伴い,土壌中のカドミウムが植物に吸収されにくい形態に変化し,植物への吸収を抑制します.土壌中の重金属類が植物へ吸収しないための重金属不溶化資材の開発と利用を行なっています.

循環資源(有用物を含む廃棄物)の再利用と植物に与える影響

廃棄物等のうち有用なものを循環資源と位置付け,それらを利用した養分の農地還元に関する研究を進めている.植物生育のためには,窒素,リン,カリウム等の元素が必要であるが,メタン発酵消化液や魚類残滓液中の窒素利用,鶏ふんや下水汚泥中からのリン回収,豚ふん中のリンやカリウムの利用について,検討している.そのために,循環資源を加工することにより資材を作成するとともに,作成した資材を利用した植物栽培に挑んでいる.

肥効調節機能を有する豚ふん焼却灰と窒素肥料の併用によるコマツナの幼植物試験様々な循環資源を加工した資材を用いた栽培試験を行なっています.

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