研究目的


現在、当教室では主に興奮性細胞や組織(ニューロン、神経分泌細胞、平滑筋細胞など)をターゲットとして、種々の薬物作用や機能異常による病態の解明・新規治療薬のシーズとなるべき薬物の検索を目指して研究を行っています。興奮性細胞の機能は主に細胞内カルシウムイオンやナトリウムイオンなどの各種イオンの時間的・空間的動態の分析により、イオンチャネルの動的応答はパッチクランプ法を用いた単一細胞レベルでの解析により行っています。また、遺伝子工学的手法により、受容体遺伝子のクローニング及びミュータント受容体の構築、並びにこれらの発現解析により、分子レベルでの受容体やチャネルに対する薬物作用機序の解明を目指しています。


図解

TRPV1発現HEK293細胞における細胞内カルシウムとナトリウムの同時測定」
Ohta et al., (2008) J Biol Chem

最近、痛みセンサーとして唐辛子の辛み成分であるカプサイシンに応答する受容体に着目し、この受容体遺伝子をクローニングし、機能解析を行った結果、痛み信号の増幅や抑制に本受容体が重要であることを明らかにしています。現在、行っている主な研究テーマは次の通りです。

研究テーマ


侵害受容機(痛みセンサー)の機能と制御機構の解析
新規鎮痛薬の検索と作用機序の解明
疼痛関連疾患における侵害受容器及び関連受容体の病態生理
壁内神経-グリア細胞による機能調節メカニズムと病態
神経分泌細胞・筋細胞における刺激-興奮連関の調節機構