辻本 壽 Hisashi Tsujimoto
【育種学とは】「育種学」は品種改良を通じて農業生産に貢献する農学の一分野です。育種の基礎となる分野は「遺伝学」ですが、優れた品種を作るためには、その他に様々な農学の知識が必要です。さらに、生産者や消費者の要望を感じ取り、新鮮な感覚をもつ幅広いものの見方が必要です。新しい品種を作ること・・・・とてもクリエイティブな仕事だとおもいませんか?
【研究していること】パンやうどんの原料となるコムギを遺伝的に改良するため新しい遺伝資源を探し求めています。とくに、野生植物とコムギとの雑種を作り、その後代から野生植物の染色体をもつコムギ系統を多数育成してきました。これらの系統の中には、今までのコムギ品種より製パン性の高い系統、肥料を節約できる系統、病気に強い系統などが見つかってきました。また、乾燥や塩害に強い系統もありそうです。さらに、トウモロコシやパールミレットなどムギ類とはきわめて遠縁の植物とコムギを交配して、染色体をムギ類に導入しようと考えています。しかし今のところ、これら超遠縁植物間での交雑では雑種細胞はできるものの、雑種胚内で染色体の行動が異常になります。この原因を探り、超遠縁植物の遺伝子もコムギ育種に利用するための方法を開発したいと思っています。これまで、世界のコムギの栽培状況を調査するために、色々な場所に行きました。2008年はアルメニア、2009年はタジキスタンを調査しました。
【プロフィール】 1981年 神戸大学農学部卒、1986年 京都大学農学研究科博士課程修了、農学博士、1986年〜2002年 横浜市立大学木原生物学研究所、助手、助教授、2002年〜現在 鳥取大学農学部教授
【趣味】 園芸、ドライブ、旅行
【関係するホームページ】
◆コムギのはなし
http://gillnet.lab.nig.ac.jp/~komunet/
◆NBRPコムギ
http://www.shigen.nig.ac.jp/wheat/komugi/top/top.jsp
◆グローバルCOEプログラム「乾燥地科学拠点の世界展開」分子育種グループ
http://www.alrc.tottori-u.ac.jp/coe/ja/act_molecular_breeding.html
【さらに詳しく知りたい方は...】tsujim@muses.tottori-u.ac.jp