統計学は大量の計算によって習得する学問である。計算自身はそれほど難しいものではないが，数値データが多く，また連環あるいは連鎖的に計算することが多いため，前の計算結果の真偽はあとの計算に直接影響するので，最初から最後まで神経を使う。この点において筆算は大変であり，たとえ関数電卓などを用いても，1回の押し間違いで最初からやり直すことが多い。幸い，近年ではパソコン及び計算用アプリケーションソフトが普及し，その操作方法さえ把握すれば，統計計算はそれほど苦痛なものではない。本書では｢図解Excel統計｣を附冊として同時出版しており，現在ではもっとも普及率の高いMicrosoft^® Excelによる統計解析の計算方法を，操作図面を用いて詳細に説明しており，参考となれば幸いである。

　本書は著者が講義資料を整理して作成したものであり，教科書，若しくは参考書として利用していただければ幸いである。

はしがき

序　章　　･･･････････････････････････････････････････････････　　1

第1章　統計図表　　･･････････････････････････････････････････　　3
　第1節　統計表　　･･････････････････････････････････････････　　3
　第2節　統計図　　･･････････････････････････････････････････　　6
　第3節　ローレンツ曲線とジニ係数　　････････････････････････　　9

第2章　代表値　　････････････････････････････････････････････　 14
　第1節　計算的代表値　　････････････････････････････････････　 14
　第2節　位置的代表値　　････････････････････････････････････　 19

第3章　統計集団の特徴　　････････････････････････････････････　 24
　第1節　散布度　　･･････････････････････････････････････････　 24
　第2節　尖度と非対称度　　･･････････････････････････････････　 31

第4章　複数統計集団の関係　その1　統計比例数，相関係数　　･･･　 34
　第1節　統計比例数　　･･････････････････････････････････････　 34
　第2節　相関係数　　････････････････････････････････････････　 40

第5章　複数統計集団の関係　その2　回帰分析　　･･･････････････　 49
　第1節　2変数間の回帰分析(単回帰分析)　　 ･･････････････････　 49
　第2節　多変数回帰分析(重回帰分析)　　･･････････････････････　 56
　第3節　指数曲線　　････････････････････････････････････････　 57

第6章　確率と同時確率　　････････････････････････････････････　 60
　第1節　確率分布と特性値　　････････････････････････････････　 60
　第2節　同時確率関数　　････････････････････････････････････　 64
　第3節　確率法則　　････････････････････････････････････････　 66

第7章　標本集団と母集団　　･･････････････････････････････････　 71
　第1節　標本集団の抽出方法　　･･････････････････････････････　 71
　第2節　標本集団と母集団の統計量　　････････････････････････　 77
　第3節　標本誤差と標本サイズ　　････････････････････････････　 79

第8章　二項分布と統計的仮説検定　　･･････････････････････････　 84
　第1節　二項分布の確率関数　　･･････････････････････････････　 84
　第2節　統計的仮説検定　　･･････････････････････････････････　 89

第9章　正規分布と母平均の推定・検定　　･･････････････････････　 95
　第1節　正規分布　　････････････････････････････････････････   95
　第2節　母平均の推定・検定　　･･････････････････････････････　100
　第3節　標本比率と母比率　　････････････････････････････････　108

第10章　不偏推定量とt分布　　････････････････････････････････　112
　第1節　不偏推定量とt分布　　･･･････････････････････････････　112
　第2節　t分布を利用した推定・検定　　･･･････････････････････　115

第11章　χ2分布とF分布　　････････････････････････････････････　123
　第1節　χ2分布　　･･････････････････････････････････････････　123
　第2節　F分布　　･･･････････････････････････････････････････　128

第12章　相関係数の推定・検定　　･････････････････････････････　132
　第1節　標本相関係数rの分布と無相関検定　　･････････････････　132
　第2節　ρ≠0における相関係数の推定・検定　　････････････････　138

結　章　　･･･････････････････････････････････････････････････　143

参 考 文 献　　･･････････････････････････････････････････････　145

付　表　　･･･････････････････････････････････････････････････　146

練習問題の参考解答　　･･･････････････････････････････････････　161