鳥取大学農学部 Faculty of Agriculture, Tottori University

教員詳細

教授

児玉 基一朗

Motoichiro KODAMA

所属
生命環境農学科
担当教育コース
農芸化学
教育研究分野
植物病理学
主な担当科目
自然科学英語,植物病理学各論,農芸化学実験
研究に関連する高校教科

研究の概要

有害微生物と有用微生物の働きを解明し,活用すること

植物病原糸状菌における発病ストラテジーや病原性進化の分子メカニズムを明らかにするとともに,微生物を活用した病害防除(バイオコントロール)技術の確立を目指しています。また,有用微生物であるローカル酵母・麹菌など地域の発酵微生物を探索・分離して,新規の発酵製品開発に挑戦しています。

有害微生物(植物病原菌)と有用微生物(発酵微生物)

代表的な有害微生物である「植物病原糸状菌」は,農作物に多大な被害を与え続けており,世界的な食料不足による飢餓にも直接的に関わっています。病原菌の発病ストラテジーや病原性の進化の分子メカニズム解明は,将来的な病害制御にも繋がります。また,微生物を活用した病害防除法(バイオコントロール)は,環境に優しい農業の観点からも重要視されています。一方,有用微生物の代表である酵母や麹菌は,発酵製品(お酒,パンなど)製造において,中心的な役割を果たしています。特に,それぞれの地域に生息する特徴的な発酵微生物(ローカル酵母と命名)の探索と活用によって,オンリーワンの発酵製品開発が可能となり,地域活性化にも結びつくことが期待されています。

主な研究テーマ

未発掘地域資源である“ローカル酵母”&“ナシポリフェノール”の活用による地域産業創造・地域活性化プロジェクト

持続可能な地域社会の確立のため,各地においてイノベーション創出による地域活性化が求められています。それぞれの地域・地方に特徴的な地域素材は,地域振興の切り札として多くの自治体で活用が試みられています。われわれは,他との差別化,独自性担保のため,地域に特有な微生物や農産物に着目しました。二十世紀ナシ葉由来のナシポリフェノールやローカル発酵微生物(ローカル酵母と命名)の活用により,全く新しい地域製品(発酵食品・飲料)が創出できると考え,地元自治体,メーカーおよび地域グループとの密な連携により,オンリーワンの新規商品開発と産業創造による新たな地域価値創造を目指しています。

社会実装の取組(ナシポリフェノールとローカル酵母)

植物病原菌における発病ストラテジーや病原性進化の分子メカニズム解明

「植物病理学」は古くからある学問分野で,鳥取大学の前身である鳥取高等農業学校の初代校長、山田玄太郎博士のご専門分野でもありました。基礎研究としての植物病理学では,重要な研究テーマがあります。一つは,“どのように病気は起こるのか?”で,発病メカニズムを明らかにすることです。もう一つは,”なぜ病気は起こるのか?“で,どのように病原菌が世に現れたのか,また,植物の病害抵抗性・感受性はどのように生じたかという進化のメカニズム解明を目指すものです。このような仕組みには,以前は謎が多かったのですが,今や病原菌や作物のゲノム情報などに基づいて,遺伝子のレベルでアプローチすることが可能になりました。

基礎研究としての植物病理学の研究テーマ

熱帯・亜熱帯作物病害のバイオコントロールを目的としたローカル微生物資源の探索

環境に優しい農業の一環として,植物病害のバイオコントロール(生物防除)が注目されています。バイオコントロールにおいては,生物多様性保全や地域生物相の攪乱を最小限に抑えるために,対象地域において分離された微生物(ローカル微生物)を使用することが重要です。世界規模で問題となっている熱帯・亜熱帯作物病害として代表的なサトウキビ黒穂病およびバナナパナマ病に着目し,発病抑制活性を有するローカル微生物資源の探索を進めています。

バイオコントロール活性を有するローカル微生物資源の探索

オプション

文字サイズ

  • 標準

文字色/背景色

  • 標準
  • 白/黒
  • 黄/青