鳥取大学農学部 Faculty of Agriculture, Tottori University

教員詳細

教授

万 里

Li WAN

所属
生命環境農学科
担当教育コース
里地里山環境管理学
教育研究分野
流通情報解析学
主な担当科目
食料流通学,推測統計学,経済学
研究に関連する高校教科

研究の概要

豊かな食生活と安定・安心・安全な食料品の生産流通の実現

農畜産物市場の安定及びグローバル情報化社会における農畜産物競争力の強化を図り,市場流通情報を利用して,統計学の手法で経済学の視点から分析を行い,より迅速,低コスト,合理的な流通方法を研究しています。特に農畜産物の市場流通数量・価格の変動が激しいことに着目して将来の見通しを研究し,市場の安定を図ると同時に,農家経営における最大収益を得るための出荷・流通戦略を研究しています。

生鮮食料品の流通と価格変動

生鮮食料品の生産は自然条件に左右されやすく,収穫の季節性と長期保蔵できない品目が多いことから流通数量・価格の変動が大きいです。また,規格外品・損傷・腐敗などによる廃棄も多いです。

主な研究テーマ

生鮮食料品の流通情報を用いた計量経済分析

市場調査,または農畜産物統計から得た生鮮食料品の生産・流通量,市場価格,輸入数量・価格などの流通情報を用いて,時系列分析,多変量分析,AHP分析などの計量経済分析手法により,流通数量・価格変動の趨勢などを分析します。また,市場調査などにより生産者の出荷行動,消費者の購買行動などの分析を行い,食料自給率の向上,食料品ロスの減少などに寄与し,SDGsに貢献します。

消費者の生鮮食料品購買に関する小売市場調査に基づき,AHP分析法を用いた評価基準別の生鮮食料品購買先の重みベクトルです。

農畜産物市場の安定を図るための変動予測

農畜産物は人間の生命,精神健康の維持に必要不可欠のものであり,毎日消費しなければなりません。しかし,工業製品とは違い,多くの農畜産物は長期保蔵できなく,生産には長い時間が必要であるため,市場の需給変化に瞬時に対応できず,流通数量と価格は不安定です。市場安定を図るため,流通数量・価格などのデータを用いて,時系列分析などの手法により,今までの変化を分析し,将来の変動予測を研究しています。

中央卸売市場における1970年~2019年の去勢和牛枝肉月別卸売価格で分析した牛肉の可変型循環変動です。

輸入食料品が国産食料品の生産・流通に与える影響

食の安心・安全などの観点から国産食料品を好む消費者が大勢いますが,国土面積の制限などもあり,多くの食料品を外国から輸入していることも事実です。カロリーペースの食料自給率を見ると,6割以上の食料品は外国からの輸入品です。外国と国内の生産条件,人件費などの違いから,多くの輸入食料品は国産食料品より価格が安いです。近年,WTO体制下における自由貿易の推進により,輸入食料品がますます増えています。輸入食料品は国産食料品の生産・流通に与える影響を解明するため,多変量分析などの手法により,国産食料品の生産量,市場価格などは国産の他の代替食料品,国産・輸入農業生産資材,輸入食料品などとの関係を研究しています。

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