Q&A

学生の皆さんから寄せられた質問にお答えするコーナーです.学習の参考にしてください.

なお,ここにある質問は,すべて質問してくれた人の了解済みで掲載しています.

通し番号 Q&A 内容
Q 間隙率と間隙比の違いがよく分かりませんでした。どういう時にどのように使い分けるんですか?
A 例えば100cm3のシリンダーを土壌に突っ込んで,土を取ったとします.このとき,土の全体積は100cm3ですね.で,そのときの土粒子(固体)が占める体積をVs,水の占める体積をVw,空気の占める体積をVaとします.

土粒子と土粒子の隙間のことを間隙といいます.この間隙には空気と水が存在しています.したがって,間隙の体積は,Va+Vwとなりますね.

さて,本題:
間隙率は,土の全体積(この例では100cm3)に占める間隙の体積と定義されます.式でいうと
 f=(Va+Vw)/Vt=(Va+Vw)/(Vs+Va+Vw)

一方,間隙比は,土粒子の体積に対する間隙の体積と定義します.
つまり,e=(Va+Vw)/Vs

結局,間隙率も間隙比も”何か”に対する間隙体積の割合で,”何か”の部分が違うというわけです.

使い分けですが,特にルールがあるわけではないです.工学分野では,地盤の沈下の計算に間隙比を使いますが,このとき間隙率を使うと,間隙の体積が小さくなったときに分子も分母も変化してしまうので使いづらいということがあります.

一方,講義でも言いましたが農学分野では間隙率を使います.農学分野では,土壌が保持している水分の量が問題となります.つまり土壌水の量ですが,土壌水は間隙にしか存在できません.そのため,どのくらい間隙があるのかが必要となるわけです.その際には,その圃場の全体積について,どのくらいの間隙があるかわかる方が便利です.なぜなら,圃場の全体積は簡単に計算できますからね.もし,間隙比で考えると,圃場に存在する土粒子の量がわからないといけなくて,その場合,土粒子密度を測らないとわからないということになります.
また,間隙率は,容積のわかっている容器を使うと簡単に測定できます.そういうこともあって,農学分野では間隙率を使うことが多いわけです.

使い分けのルールは,どちらを使ったら便利かなということで決まります.
2 Q 〈土壌物理では土壌が保持する水分量を水深で示す〉とありましたが、どのようにして水深を測るのですか?
A 水深で表すというのはちょっと表現がわるかったですね.水深と同じ単位になるといった方が正確です.水分量というのは量だから,普通は体積の単位で表します.しかし,降水量なんかは体積単位ではないですね.普通,mmです.これは長さの単位です.

鳥取市に100mmの雨が降ったときを考えて見ましょう.このとき,小さなコップと大きなコップを外に出していたとします.雨だけが純粋にこれらの容器に溜まったとすると,コップの大きさに関係なく,溜まった水の水深は100mmです.もちろん,溜まった水の体積はコップの大きさによって変わります.でも,雨のようにある程度の面積で同じように水が降り注ぐ場合,面積のことを考慮しなくてもいいですね.

土壌物理学や灌漑排水学では,これと同じように考えることが多いということなんです.

だから,地表面から深さ10cmまでの土壌の体積含水率が20%だったとすると,そのとき,その場所に存在する水は,ある程度の面積で同じような状態と考えるので,横方向のことは考えずに深さ方向のことだけ考えればよいということになります.したがって,10cm×0.2=2cm=20mmとなります.
この場合,あるピンポイントの場所で,10cmの厚さの土の中には20mmの水深の水が存在しているということになるわけです.

わかったかな?文字ではちょっと説明しにくいですね.今後,講義でも折に触れて説明していきますので,やはり判らないというときは,改めて質問してください.
3 Q 何故インクビン効果でヒステリシスが起きる事が説明できるのですか
A  土壌水分特性曲線を脱水過程で求めた場合と吸水過程で求めた場合に起きるヒステリシスという現象について,その発生メカニズムをインクビン効果を使って説明させる問題です.
レポートなので,もろに答えを教えるわけにはいきませんが,ヒントをあげます.
 土壌には細い間隙と広い間隙とが入り乱れて存在していると考えられます.その間隙に水が存在しているとき,各間隙でその水を保持する(いいかえると吸い込もうとする)力が働きます.これが間隙の吸引圧ですが,そのとき,外部からポンプなどで吸引圧をかけたとします.ポンプの吸引圧が間隙の吸引圧より大きいときは,水が外に排出され(脱水),ポンプの吸引圧が間隙の吸引圧よりも小さくなると水は間隙に吸い込まれます(吸水).
 ここで考えて欲しいのは,脱水するときにポンプの吸引圧が上回らねばならない間隙の吸引圧とは,小さい間隙のそれか,大きい間隙のそれか,ということです.吸水のときも同じ.このことと毛管上昇の原理をあわせて考えてみてください.きっと答が見つかるでしょう.
4 Q 圧力ポテンシャルとマトリックポテンシャルの違いは何ですか
A マトリックポテンシャルは主に毛管力に起因するポテンシャルであり,不飽和土中で発生します.したがって,常に負の値をとります.一方,圧力ポテンシャルは静水圧に起因するポテンシャルで,土壌中では飽和のときのみ発生します.
5 Q
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6 Q
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