乾燥草原植生と人為的撹乱
乾燥地では植物の成長は水資源によって大きく制限されており、
日本のような湿潤地に比べると植物の成長速度が遅く植物量も少ないのが一般的です。
そのため撹乱を受けると植生回復に時間がかかり、しばしば水食や風食によるさらなる土地荒廃に繋がります。
本研究室では、乾燥地における人為的撹乱が植生にどのような影響を与えるのか、
また撹乱後にどの程度自然に植生が回復する可能性があるのかを明らかにすることを目的に研究を行っています。
近年は、モンゴル草原において未舗装道路による植生撹乱を対象に研究を進めています。
これまでに、未舗装道路による植生撹乱の程度を明らかにし、未舗装道路を放棄すると自然に植生回復が進むものの、
その植生は撹乱前とは異なる可能性を示しました。
また、植生回復に大きく貢献する土壌中の埋土種子集団について、未舗装道路の形成がどのような影響を与えるのかを明らかにしました。
現在は未舗装道路の植生回復に関係する要因として、草原構成種の種子の発芽能力、圧密土壌への根の貫入能力、
クローナル植物の地下茎伸長能力などを取りあげ、研究対象としています。
これらの研究を通し、乾燥草原の修復や保全に対し有用な情報を発信できればと思っています。 |
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