獣医繁殖学教室と応用動物学教室の前身である畜産学講座は大正10年に本橋平一郎教授により 鳥取高等農業学校農学科の一講座として発足しました。当時は農学と農芸化学の2学科で構成さ れており、畜産学講座は農学科に所属していました。昭和14年に獣医学科が新設された際、 本研究室は獣医学科に移り、本橋教授は学科長として学科の整備に大きく貢献されました。 昭和24年には鳥取大学が発足し、本研究室は引き続き獣医学科の一講座として本橋教授の指導のもと 、家畜の生体、臓器および骨格の計測に関する研究を行い、現存種と原種との関係の解明を進め、 昭和26年、田口鎮雄先生が着任して教育研究の態勢が整備されました。
昭和33年、本橋教授退官により田口先生が後を引き継ぎ、草地生産を基盤とした動物生産の方向を探る研究を行い、 昭和34年に北海道大学農学部より森田二郎先生が助手として着任されました。 昭和39年に農林省北海道農業試験場から仙田久芳先生が教授として着任され、飼料作物の有効利用に関する研究ならびに 放牧牛の野草中毒に関する研究を行っていました。昭和43年に山本義雄先生が助手として着任し、家畜育種分野の教育研究が いっそう充実しました。 昭和55年より土屋平四郎教授の指導のもとに動物生産の目標をより具体化した形で黒毛和種牛の生産性改善に関する 基礎的研究を行っていました。 昭和61年、土屋教授退官により森田先生が後を引き継ぎ、また北海道大学農学部より関根純二郎先生が助教授として着任しました。 昭和62年には北海道大学農学部より大浦良三先生が助手として着任しました。
平成7~8年には太田康彦教授(現実験動物学教室)が畜産学講座に在籍され、 平成8年からは関根先生が教授として教育研究を行いました。また、平成8年には北海道大学獣医学部より菱沼 貢先生が助教授として着任し、繁殖学分野についても教育研究が進められるようになりました。 平成16年6月1日より講座の名称を応用動物学教室と改めましたが、 同年10月1日付で獣医繁殖学教室が新設され、菱沼先生が初代教授となられました。 現在、菱沼先生は応用動物学教室の教授も兼任されています。獣医繁殖学教室には 平成18年4月1日付で北海道大学獣医学部から永野先生が助手として赴任され平成19年7月1日付で准教授に昇任されました。 同年4月1日付で山下先生が広島大学生物生産学部から応用動物学教室助教として赴任されました。 平成21年4月1日より農学研究科修士課程も担当するようになりました。 平成22年6月2日より檜垣彰吾先生が獣医繁殖学教室に助教として着任されました。
現在は、菱沼先生の下、家畜・伴侶動物・野生動物の繁殖生理および人工繁殖技術について研究を行っています。 また、鳥取大学農学部付属フィールドサイエンスセンターでは牛の妊娠診断を担当しています。 学外においても鳥取放牧場において妊娠診断を行っています。