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Mr. Ontlogetse DIKGOMO(ボツワナ)
「乾燥地水資源の開発と環境評価」コースは、新世紀を目の前に、人口増加を背景に投げかけられた課題と取り組むことに重点が置かれている。増加を続ける人口へ食糧を供給するため、作物生産への水供給、水資源の有効管理、またより優れた施設の提供は、強調してもし過ぎることはない。一方、灌漑による地下水汚染、一般及び産業廃水の不適切な処理と排水方法などによる環境汚染は、土台のように積み上げてきた人々の努力を足元から弱めている。乾燥地・半乾燥地においては、少ない降雨量、水分中の塩分、水資源開発にかかるコストによって、農業用水・一般用水への配水が極めて困難な状況となっているのである。
上記の状況から、農業用水及び一般用水の集約的な水資源戦略と我々の住環境に配慮した環境保護の両観点のバランスを取ることにもっと努力を傾注するべきだとの声が上がってきた。旱魃の結果としての砂漠化の問題、土壌浸食とそれに伴う風による土壌の移動、家畜放牧による食い荒らし等々、そして時々洪水が襲う−これらは乾燥地・半乾燥地で起きている極端な気候風土的条件となっている。この悪化の一途をたどる極端な気候風土は、人間が彼らを取り巻く環境をより良く理解し、彼らの方から適応していくことを余儀なくさせるものである。乾燥地・半乾燥地において十分な食糧を生産するための解決方法を人間からアプローチする方法として、唯一有効と考えられるのは、その土地に適した水資源開発と農業技術を創り出していくことのみである。
その乏しい水資源と困難な気候風土条件にも関わらず、乾燥地・半乾燥地は21世紀の食糧供給地として世界の人々の大きな期待を集めていることを研究成果は示している。したがって、農業用水・一般用水を供給するための水資源開発は、環境に対して特別の配慮を払う必要があるのだ。