教員詳細
准教授
小田 あゆみ
Ayumi ODA
- 所属
- 生命環境農学科
- 担当教育コース
- 里地里山環境管理学
- 教育研究分野
- 森林物質循環学分野
- 主な担当科目
- 森林物質循環科学Ⅰ・Ⅱ、里山生態実習Ⅱ
- 研究に関連する高校教科
研究の概要
森林・里山生態系を支える物質循環の解明
森林や里山では、窒素などの生物が生きていくために必要な物質が、植物や動物、土壌、微生物などの関わり合いのなかで形を変えながら移動しています。特定の物質の過不足が生態系のバランスを崩してしまうこともあります。こうした「物質の流れ」に注目して、生態系がどのように維持されているのかを研究しています。
調査地での試料採取や計測、分析の様子
物質循環の研究では野外で様々な試料やデータを採取すると同時に、それらを実験室で詳細に分析することで物質の流れを読み解きます。
主な研究テーマ
森林生態系の窒素循環の研究
植物の成長に欠かせない窒素は、土壌中で微生物による有機物の分解や化学的な変換を受けながら、植物に利用されます。私たちは、土壌中の有機物量や窒素の化学形態、微生物の働きに着目し、窒素がどのように循環し、森林の生産を支えているのかを研究しています。また、窒素循環と炭素の蓄積・分解との相互関係を調べ、環境変化が森林生態系に及ぼす影響の解明を目指しています。
モンゴル北東部のカラマツ林土壌。この地域では地下約10~15cmまでの土壌中で主要な窒素循環が生じていました(写真の土の黒い部分)。
樹木の窒素獲得・利用戦略に関する研究
樹木は、土壌中に存在するさまざまな形の窒素を吸収し、成長や光合成を支えるために利用しています。しかし、窒素の獲得方法や利用の仕方は、樹種によって異なります。私たちは、樹種ごとの窒素吸収特性や体内での利用の違いを調べ、樹木が窒素をどのように獲得・利用しているのかを研究しています。こうした違いを通じて、樹木の環境適応や、異なる樹種が森林の中で共存する仕組みの理解を目指しています。
樹木の窒素利用を調べるには、安定同位体などの精密な分析や、操作実験も必要です。時には微生物の力も借りながら、様々な手法を組み合わせて実験をおこなっています。
樹木の成長と環境ストレス耐性
樹木の成長は、光や水分、温度、土壌の養分条件などの環境条件によって変化します。特に、窒素の利用可能性は、樹木の成長や光合成生産に大きく関わります。私たちは、樹木の直径や樹高の成長、光合成などの生理機能を調べ、養分条件やその他の環境要因が樹木の成長に及ぼす影響を研究しています。さらに、乾燥や貧栄養などの環境ストレスに対する樹木の応答を明らかにし、樹木の成長特性や環境適応の仕組みの解明を目指しています。
写真は、農業高校のハウスをお借りして、高校生と一緒に天然記念物の桜の光環境の違いによる成長特性を調べているところです。
