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岩崎 崇 准教授、河野 強 教授らの研究成果が、日本農芸化学会の2022年B.B.B.論文賞を受賞
農学部生命環境農学科の岩崎 崇 准教授、河野 強 教授らの研究グループの成果が、2023年3月14日に日本農芸化学会の2022年B.B.B.論文賞を受賞しました。
今回の受賞対象となった論文では、ピロリ菌(Helicobacter pylori )のヒスチジンリッチプロテイン(HpHpn)が、ヒトの胃から脳内へ移行する可能性を発表しました。ピロリ菌感染とアルツハイマー病発症は関連があると報告されており、またHpHpnはアミロイド様繊維を形成するため、アルツハイマー病の原因の一つではないかと考えられています。しかし、ピロリ菌は胃表面に存在する細菌であるため、胃で産生されたHpHpnが脳内まで到達するメカニズムはこれまで不明でした。研究グループは、HpHpnが胃上皮細胞と血液脳関門をそれぞれ透過することを明らかにすることで、HpHpnが胃から脳内へ移行するメカニズムの一端を解明しました。今後は、HpHpnを標的としたアルツハイマー病予防研究の発展が期待されます。
受賞論文:In vitro transcytosis of Helicobacter pylori histidine-rich protein through gastric epithelial-like cells and the blood–brain barrier
【DOI】https://doi.org/10.1093/bbb/zbab221
受賞論文:In vitro transcytosis of Helicobacter pylori histidine-rich protein through gastric epithelial-like cells and the blood–brain barrier
【DOI】https://doi.org/10.1093/