鳥取大学農学部 Faculty of Agriculture, Tottori University

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真空の謎に迫る精密実験始動 -パイ中間子で探る超高密度の世界-

 理化学研究所(理研)仁科加速器科学研究センタースピン・アイソスピン研究室の西隆博特別研究員、中間子研究室の板橋健太専任研究員、奈良女子大学理学部数物科学科の比連崎悟教授、鳥取大学農学部生命環境農学科の池野なつ美講師らの国際共同研究グループは、理研の重イオン加速器施設「RIビームファクトリー(RIBF)」を用いて、「パイ中間子原子」という“奇妙な”原子を、従来の数十倍の時間効率で大量生成することに成功しました。
 パイ中間子原子とは、電子の代わりに「パイ中間子」という電子の300倍の質量を持つ粒子を原子核に束縛させた原子です。粒子の周回軌道の半径はその質量に反比例するため、パイ中間子は原子核表面をこするような軌道をとり、これを詳しく調べることで、原子核内部の情報を得ることができます。原子核内部は、水の約100兆倍という超高密度の世界です。パイ中間子原子を精密に調べることは、約138億年前に起こった大爆発(ビッグバン)による宇宙創生直後の超高温・高密度の世界から「真空」がどのように変化してきたかを解き明かす鍵となります。
 
本研究成果は、2018年4月13日に米国の科学雑誌『Physical Review Letters』電子版に公開されました。 

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