農学部について
「人類と自然との共生」の探求から未来を切り開く
現在、地球上では、急激な人口増と過剰な人為作用によって、食糧問題とともに、様々な環境問題が起きています。これらの問題を解決するために、農学に対する社会からの期待は極めて大きく、農学の果たすべき役割は21世紀においてますます増大しています。自然と人類との共生という観点からも、農学は極めて重要な責務を担っており、その可能性は大きく無限です。
農学部創設以来、砂丘地農業の開発や二十世紀梨の生産などをはじめとする地域の農林畜産業の振興に大きく寄与してきましたが、現在では、植物の遺伝子解析や生物の機能開発などに関する生命科学、砂漠化防止や緑化など特に乾燥地の環境問題、森林や湖沼などの生態系の保全と修復に取り組んでいます。また、地域だけでなく、世界各国との国際農業協力など、常にグローバルなレベルで積極的に特色ある展開をしています。獣医学科でも、基礎、応用、臨床分野にわたる広い領域を対象とし、SARS対策、人獣共通感染症である鳥エンフルエンザの解明、環境汚染物質による海洋生物への影響、キチンキトサンによる動物医薬品の開発など、特徴ある研究に取り組んでいます。
教育面についても、幅広い知識とともに実践する力をもち、社会の中核となりうる教養豊かな積極的な人材の育成を目標としており、室内実験からフィールドまで、学生の多様な要望に応えるべく、例えば海外研修など特徴ある教育コースとカリキュラムを用意しています。 鳥取大学農学部は、2004年度の文部科学省の3つの競争的重点事業、「特色ある大学教育支援プログラム」、「21世紀COEプログラム」、「地域貢献特別支援事業」に参加し、すべて採択されました。これら3つの事業をすべて採択された大学は、全国700余の大学のうちわずか8校です。このことからも、鳥取大学農学部のこれまでの教育と研究が高く評価されたことが分かります。今後さらに高いレベルを目指して、教職員学生一体となって協力を進め、魅力ある特色ある教育と研究を進め有能な国際性豊かな人材育成を進めていきたいと考えています。