教員詳細
准教授
遠藤 能史
Yoshifumi ENDO
- 所属
- 附属動物医療センター
- 講座
- 臨床獣医学
- 教育研究分野
- 臨床獣医学教育分野
- 主な担当科目
- 軟部組織外科学 臨床腫瘍学
研究の概要
伴侶動物の悪性腫瘍の分子病態を理解し、治療につなげる
犬や猫(伴侶動物)も人と同様に悪性腫瘍(がん)になります。がんは基本的に遺伝子異常の蓄積により生じ、免疫などの腫瘍周辺環境の影響も加わり増殖および転移を成し遂げます。この過程はがんの種類により異なり、関与する遺伝子異常や周辺環境の影響は様々です。人ではこの過程(分子病態)の理解が数々の新たな治療選択肢を生み出しています。伴侶動物のがんにおいても分子病態を解明し新たな治療展開を目指します。
ベンチからベッドサイドへ
臨床で得られた腫瘍組織や血液の分子レベルの解析から腫瘍特異的な遺伝子異常を見つけ、悪性化への関与をモデル動物で検証し、治療に役立てていく。
主な研究テーマ
犬悪性黒色腫の悪性化と染色体不安定性の関連性
高速かつ爆発的なゲノム変化により早期がんの段階で転移能を獲得したがん細胞が突然発生し転移することを超早期転移という。染色体不安定性は細胞分裂の際に染色体の分配異常が高頻度で生じる状態です。染色体の数的異常(異数性)や構造的異常(増幅や欠失など)を引き起こし、多種多様な遺伝子の発現変化により、表現型が大きく変化したがん細胞が生じる原因となる。そのため染色体不安定性は超早期転移における転移能獲得の要因になると考えられている。犬悪性黒色腫は超早期転移を引き起こす悪性度の高い犬の悪性腫瘍であり、その転移機構に関しては不明で、染色体不安定性との関連性や分子レベルの異常を調べている。