教員詳細
准教授
金 京純
Kyeongsoon KIM
- 所属
- 共同獣医学科
- 講座
- 病態獣医学
- 教育研究分野
- 獣医寄生虫病学
- 主な担当科目
- 獣医寄生虫病学
研究の概要
節足動物媒介性感染症の生態学
感染症を起こす病原体は私たちと同じ生態系の一部であり、様々な生存戦略を駆使して生きています。昆虫やダニなどの節足動物を介してうつる感染症は、節足動物媒介性感染症とよばれ、それらの流行を鎮圧したり、防ぐためには、病原体の運び屋となる節足動物の生態を理解することが必要です。自然界において節足動物媒介性感染症がどのように存続しているのか、主に野鳥の寄生虫を対象に研究しています。
主な研究テーマ
鳥類の住血原虫媒介者の特定
マラリア原虫のように動物の血液に寄生する原虫を住血原虫とよびます。マラリア原虫が蚊を介してヒトからヒトへ感染するように、住血原虫が動物から動物へうつり、世代をつないでいくためには、媒介者である吸血節足動物が必要です。鳥に寄生する住血原虫は、200種以上が知られていますが、媒介者が明らかになっているのはその2割ほどです。国内における鳥の住血原虫の媒介者を特定することで、自然界における住血原虫の伝播・維持サイクルを明らかにしたいと考えています。住血原虫が鳥と媒介者の間でどのように維持されているかという情報は、鳥とヒトの両方に感染する病原体(例えばウエストナイルウイルス)が媒介者を通じて広がる感染ルートの予測などにも応用できると考えています。