教員詳細
准教授
高橋 賢次
Kenji TAKAHASHI
- 所属
- 共同獣医学科
- 講座
- 基礎獣医学
- 教育研究分野
- 獣医薬理学
- 主な担当科目
- 薬理学実習、毒性学実習
研究の概要
炎症病態を解明し、新しい治療方法を開発する
炎症は治癒過程には必須な応答ですが、過剰な反応は生体に大きな損傷を引き起こします。そのメカニズムは複雑であり、未だ明らかとなっていないことが残されたままです。それらを知ることはより適切な治療方法を開発するには重要な要素です。また、ガンも炎症応答を引き起こすため、これらの情報はガン治療にも役立ちます。炎症を明らかにして病気に打ち勝つことを目指します。
主な研究テーマ
炎症病態における疼痛関連分子の役割
生体の炎症組織には痛みが発生しますが、それは組織中の物質が痛みのセンサーである侵害受容器を刺激することが1つの発生要因となっています。この侵害受容器は知覚神経に多く発現しているため、この信号が生じると痛みとして認識されます。しかしながら、これらの受容体分子は神経細胞だけでなく他の組織細胞にも発現が認められることから、その役割は痛みの認識にとどまらないと考えられています。これらの役割を明らかにすることで炎症反応のメカニズムの一端を解明し、炎症反応の調節ができないかを考えています。
きのこ由来物質による抗ガン剤の開発
菌類きのこには様々な成分が含まれており、毒きのこに代表される毒物もその1つですが、農薬、医薬品となる有益な成分も数多く知られています。抗ガン作用などもしばしば報告されることがあります。100万種以上ともされる菌類きのこには、未だ明らかにされていない役に立つ物質があると考えられます。菌類きのこ遺伝資源研究センターには様々な菌類きのこの抽出物が保存されており、これらの中から今までにない新しい働きをする抗ガン剤となる物質を探しています。