鳥取大学農学部 Faculty of Agriculture, Tottori University

教員詳細

准教授

竹村 圭弘

Yoshihiro TAKEMURA

所属
生命環境農学科
担当教育コース
植物菌類生産科学
教育研究分野
園芸生産学
主な担当科目
果樹園芸学,園芸学各論
研究に関連する高校教科

研究の概要

ニホンナシの新品種育成と安定生産技術の開発

ニホンナシをはじめとする果樹類の多くでは、開花期における人工受粉が必須の作業となっています。しかしながら、栽培現場では、暖冬による開花不良や使用する花粉量の不足など多くの問題が起こっています。本研究室では、大学内で保有しているナシの遺伝資源を活用し、温暖化に適応する新品種の育成や新たな花粉採取用の品種の選抜を行っています。

形や大きさの異なる様々なナシ品種

大学内で保有している多くのナシ品種を育種や研究に活用しています。

主な研究テーマ

ニホンナシの自発休眠機構の解明と新品種の育成

ニホンナシをはじめとする落葉果樹の芽は、冬季に一定量の低温に遭遇しなければ翌春に萌芽することが出来ません(写真)。近年の温暖化の影響により、世界の低緯度地域ならびに日本の西南暖地では、低温遭遇時間の不足による発芽不良が多発しており、ニホンナシの栽培が困難になっています。本研究室では、自発休眠の生理機構の解明を進めると同時に、低温要求量の少ない新品種の育成を行っています。これと同時に、有用な個体を早期に選抜するためのDNAマーカーの開発にも取り組んでいます。

低温(5℃)および中温(15℃)処理がナシの萌芽に及ぼす影響

低温発芽能を有するナシ花粉の選抜と生理機講の解明
果実の生理機構の解明

多くの果樹類では春季に人工受粉を行いますが、温暖化に伴う早期の開花時には受粉に適さない日(日中の気温が低い日)が多くなり、結実不良が問題となっています。この原因としては、気温が低い日に受粉した花粉が発芽しにくいという性質が挙げられています。本研究室では、大学内で保有しているナシの遺伝資源の中から低温発芽性の花粉を有する品種を選抜するとともに、新たな花粉採取用品種の育成も行っています。さらに、花粉の発芽能に関連した遺伝子の解析を通し、果実の結実に関係する生理機講の解明も行っています。

ナシ花粉の発芽に及ぼす温度感応性の違い(10℃処理区) 
(左)‘長十郎’,(右)Pyrus communis

ニホンナシ果実の肉質の品種間差異と果肉細胞に関する研究

ナシの果肉には、リグニンを多く含む石細胞が存在するため、そのザラついた食感が品質を低下させる原因となっています。ニホンナシの場合、品種によって果実の肉質は大きく異なっています。その原因として果肉の硬度および石細胞の密度が関与していると考えられていますが、その詳細については分かっていません。本研究室では、ニホンナシ果実の肉質の品種間差異の原因を明らかにするとともに、果肉硬度と細胞壁成分との関係ならびに石細胞の形態的な特性についての研究を行っています。

ニホンナシ‘瑞秋’の果肉組織の変化
(左)成熟前,(右)成熟期

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