教員詳細
教授
田川 公太朗
Kotaro TAGAWA
研究の概要
乾燥地・途上国の持続的発展に貢献する自然エネルギー技術の開発
乾燥地・途上国から国内にいたる様々な食料生産・水利用・エネルギー需要に貢献しうる自然エネルギー利用システムの推進を目指し,太陽光や風力などの自然エネルギー発電の要素技術および導入手法に関する研究に取り組んでいます.また,経済性や環境保全性の評価はもちろんのこと,SDGsあるいは途上国等の現状を踏まえて,自然エネルギー利用の有用性を示す定量的な評価指標の提案にも取り組みたいです.
乾燥地の自然エネルギー利用に係わる技術システム開発とその活用
乾燥地や途上国の食料生産・水利用・エネルギー需要に応じて,自然エネルギー発電システムの利用が期待されています.
主な研究テーマ
乾燥地の農業生産を支える自然エネルギー利用に関する技術開発とシステム評価
乾燥地や途上国などにおいて,陸上養殖と水耕栽培を組み合わせたアクアポニックスなどの屋内施設での食料生産方式が注目されています.アクアポニックスでは用水循環や曝気のための環境制御設備などを利用して生育環境を制御できますが,乾燥地や途上国などでは送電線設備がぜい弱なため,設備稼働に必要な電力供給が停止する問題が発生しています.したがって,食料生産に必要な電力を現地で発電・供給できる独立分散型の自然エネルギー発電が期待されています.本研究では,露地栽培結合型アクアポニックスを対象として,独立型太陽光発電システムの電力供給解析を行い,アクアポニックスの生産規模や日射変動などに応じた太陽光発電システムの設計指針を提案します.
メキシコ・ラパス市近郊の農地に導入されたアクアポニックス施設と太陽光発電システム.
ソーラーシェアリングにおける太陽光パネル群周囲のダイナミックな風の流れの解明
近年,農地に支柱を立てて上部空間に太陽光発電設備等を設置するソーラーシェアリングが国内外で注目されています.耕作放棄地や林地などの身近な農村環境で数千枚もの太陽光パネルが設置された発電施設が増加しています.このような場合に設備周辺の風況(風速,風向,風の乱れなど)が大きく変化することが考えられますが,太陽光パネル群を設置した場合の風況評価と農業生産への影響に関しては十分に明らかになっていません.本研究では,農地に導入された太陽光発電設備周辺の風況変化と太陽光パネル下の作物栽培空間の風況を評価するために,太陽光パネル群周囲の風のダイナミックな流れ構造を風洞実験などで明らかにします.