鳥取大学農学部 Faculty of Agriculture, Tottori University

教員詳細

教授

西原 英治

Eiji NISHIHARA

所属
生命環境農学科
担当教育コース
国際乾燥地農学
教育研究分野
乾燥地作物栽培学研究分野
主な担当科目
乾燥地栽培学Ⅰ  乾燥地栽培学Ⅱ
研究に関連する高校教科

研究の概要

作物の栽培体系に農産廃棄物等を利用した持続循環型農業の構築

近年、気候変動による温室効果ガスの上昇から高温・豪雨・干ばつなどが頻繁に起こり、作物生産も安定しない状況にあります。さらに、化学肥料の高騰から、化学肥料に代わる何らかの材料を用いた栽培体系を確立させ、作物生産を維持できるようにしていくことを目標に研究を行っています。また、本研究室はSDGs13を主に持続循環型農業の研究を行っており、主に農産廃棄物から作成したバイオ炭を中心に研究をしています。

メロン隔離栽培試験の様子(ベトナム・ニントゥアン省)

近年、ベトナムではビニルハウスの施設園芸の発展が進んできています。しかし、劣悪な土壌環境から、収量および品質を安定化させるために隔離栽培での体系化が確立しつつあります。一方で、栽培終了後の隔離栽培で利用していた培地は廃棄しているのが現状です。この栽培体系をひと工夫して、培地に使う材料を環境にやさしく、栽培終了後でもこの培地を廃棄せず、気候変動緩和に貢献できる新たな培地の開発などを行っています。

主な研究テーマ

農産廃棄物から作成したバイオ炭の利用

未利用の農産廃棄物のリサイクル方法として、この廃棄物からバイオ炭を作り、作物生産や土壌有機炭素の影響などの研究を行っています。バイオ炭は、バイオ炭自身の炭素としての隔離による温室効果ガス放出低減や土壌改良材としての機能を有しているため、SDGs13にも大きく貢献できると考えられます。それを農業分野で簡単に利用できる方法なども研究しています。

100%バイオ炭によるトマトの育苗培土としての利用  左側から2列:ピーナツ殻バイオ炭、右側から2列:もみ殻バイオ炭

バイオ炭施用におけるプライミング効果促進機構の解明とその長期持続性

農産廃棄物から作成したバイオ炭の機能性を評価するために、採草用牧草種を用いて、温室効果の排出低減、土壌の物理・化学性や土壌微生物変化を長期モニタリングしています。

バイオ炭施用における採草用牧草種から放出される温室効果ガスの長期モニタリングほ場試験の様子

薬用植物オタネニンジン(高麗人参)栽培の安定化に関する研究

薬用ニンジン栽培は播種から収穫まで6年と栽培期間が非常に長いため、生産量が不安定であり栽培従事者の人数は毎年減り続け、現在では全国で50名以下となっている。しかし、薬用ニンジンは生薬原料として重要な作物の1つであることから、安定生産および種子の確保の対策が急務である。そこで、本研究テーマでは薬用ニンジンの安定した栽培方法および種子の確保などの研究をしています。

林間栽培における薬用オタネニンジンの種子生産試験の様子

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