鳥取大学農学部 Faculty of Agriculture, Tottori University

教員詳細

教授

平井 康丸

Yasumaru HIRAI

所属
生命環境農学科
担当教育コース
植物菌類生産科学
教育研究分野
生物生産システム工学
主な担当科目
農産計測工学 生物系基礎実験演習III
研究に関連する高校教科

研究の概要

動力の有効利用で環境にやさしく安全安心な食料生産を実現

 動力とはエネルギ利用に関する言葉で,英語ではpower,単位はW(ワット)あるいはPS or HP(馬力)を用います。現在の農業の動力源はエンジンやモーターが主ですが,人,自然エネルギ(太陽,水,風),動物も引き続き重要です。これらの動力を適材適所で有効に利用することを考え,技術開発することで環境にやさしい農業と安全安心な食料生産の実現を目指します。

様々な動力源を適材適所に利用して安全安心の食料生産と居心地の良い農村環境を実現

 動力源には,生み出される動力が小さい「人」,制御が難しい「自然エネルギ」,化石燃料を使い大きな動力を生み出す「エンジンン」など様々なものがあります。これらを適材適所に利用することで,棚田など美しい景観を維持しながら食料を生産する小規模農業の支援,水車などの歴史的価値のある史跡の保全,自然と動物が調和した農業,大規模農業による安定した食料生産を実現します。

主な研究テーマ

こだわりの有機農業を支える育苗,除草技術と機械・植物の状態モニタリング技術

 鳥大ブランドの創出を目指して,レンゲの緑肥,里山の竹を水稲の苗床に利用し,無農薬除草機を適用したこだわりの有機稲作に取り組みます。また,環境への負荷を減らし,近年の異常気象にも対応できるように,機械のエネルギ利用や植物の状態をモニタリングして,こだわりの有機農業を支援します。

こだわりの有機農場園のイメージ図

ニュートン力学に基づくシミュレーションで人が快適・安全に使える歩行用耕うん機を研究

 中山間地などでは農地が小規模のため人が操作する歩行用耕うん機が使われます。歩行用耕うん機は農機事故で2番目に多い機械で,お年寄りや女性にとってハンドリングが難しい場合があるなど課題があります。本研究では,人-歩行用耕うん機系の物理現象を,ニュートン力学を用いてシミュレーションし,事故が生じるメカニズムの解明や快適な操作性について人間工学的な視点から研究します。

人-歩行用耕うん機系の力学モデルに基づく操縦者の腕の反力シミュレーション

自脱コンバインの脱穀工程におけるエネルギの利用効率と損失画分の定義・定量化

 「エネルギ(利用)効率」はSDGsのキーワードに挙げられていますが,農業機械分野ではあまり浸透していません。農業機械はエンジン等から供給される動力を利用して,耕うん,田植え,収穫等の作業をします。収穫に着目すると特に負荷が大きい脱穀作業は,エネルギ利用効率が1~2%と極めて低いことが分かっています。しかし,学術的にはエネルギ損失の画分などが詳細に分類されておらず,効率改善の指針が示されていません。本研究では,学術的に脱穀のエネルギ効率を定義し,損失の画分の分類と定量を,実験,シミュレーションを通して行います。

脱穀時のエネルギ効率と損失画分の定量化に関する実験とシミュレーション

オプション

文字サイズ

  • 標準

文字色/背景色

  • 標準
  • 白/黒
  • 黄/青