教員詳細
教授
平井 康丸
Yasumaru HIRAI
研究の概要
バイオ燃料と農業機械の省エネ化で環境保全型の食料の安定生産
世界中で大雨,干ばつ,猛暑などの異常気象が発生しており,気候変動対策は待ったなしです。このため安定した食料生産を支えてきた農業機械においては,カーボンニュートラル(CN)の燃料の使用とさらなる省エネルギー化が求められています。稲-ナタネの二毛作の生産体系で,CN燃料である水素化処理植物油(Hydrotreated Vegetable Oil,HVO)およびナタネ油粕の地産地消と穀物収穫機(コンバイン)を対象に省エネルギー化を目指します。
カーボンニュートラル燃料と油粕の地産地消とコンバインの省エネルギー化
稲-ナタネの二毛作の生産体系を鳥大農場で実現します。収穫したナタネから水素化処理植物油(HVO)とナタネ油粕を製造します。HVOはコンバインを始めとする農業機械の燃料として,ナタネ油粕は稲とナタネ生産の肥料として使われます。燃料と肥料の地産地消を目指し,環境にやさしい食料生産を目指します。
主な研究テーマ
自脱コンバインの脱穀工程におけるエネルギーの利用効率と損失画分の定義・定量化
「エネルギー(利用)効率」はSDGsのキーワードに挙げられていますが,農業機械分野ではあまり浸透していません。農業機械はエンジンやモータから供給される動力を利用して,耕うん,田植え,収穫等の作業をします。収穫に着目すると特に負荷が大きい脱穀作業は,エネルギー利用効率が0.7-0.8 %と極めて低いことが分かっています。しかし,エネルギー損失の画分などが詳細に分類されておらず,効率改善の指針が示されていません。本研究では,脱穀のエネルギー効率を定義し,損失の画分の分類と定量を行います。
脱穀時のエネルギー効率と損失画分の定量化に関する実験とシミュレーション
コンバイン収穫時の刈取り,フィーダー,脱穀,選別部の動力データの計測と省エネルギー化への活用
稲を収穫適期の早限,適期,晩限で収穫した時の,刈取部,フィーダー,こぎ胴,処理胴,揺動選別の動力データを時系列で計測します。また,作物の性状(含水率,倒伏の程度)と関連付けて,エネルギーロスが生じる条件を特定し,省エネ化対策を解明します。
収穫実験の動力計測系
稲の曲げ,せん断物性に基づく刈取りエネルギーの関係
刈取りに関係する物性から刈り取りエネルギーを予測出来れば,刈取り部への動力配分を見積もれる他,続く脱穀工程の制御に生かすことが出来ます。計測対象物性は,変位-荷重関係から得られる稲の茎の曲げ剛性とひずみゲージを茎に貼付し伸びと縮みの比を測ることで得られるせん断剛性です。これら二つの剛性から刈り取りエネルギーを推定します。
曲げ剛性の計測とひずみゲージを用いたポアソン比およびせん断剛性の計測
