教員詳細
准教授
藤本 高明
Takaaki FUJIMOTO
研究の概要
木材の多様性を理解し、森林資源の有効利用に資する。
私たちの生活を支える身近な天然資源である木材は、森林に生育している樹木の成長の結果として得られます。そのため、生育環境の影響を受けて、多様な木材が生み出されます。有限の資源である木材を適材適所に有効利用するためには、木材の多様性の背後にある法則を明らかにする必要があります。自然(森林)はいかにして多様な木材を創り出すのか、
木材の多様性は何に由来するのかなどを明らかにすることを目指します。
木材資源の由来とその有効利用
建築材や紙などの原料である木材は人工的に創り出すことをできません。広大な森林から生み出される木材資源は、地球環境を映す鏡なのかもしれません。
主な研究テーマ
特定の座標系に依存しない木材の内在的変動の評価
木材の多様性・ばらつきは、通常、ある特定の性質(例えば、強度や化学成分量)に関心があることが多いです。その興味対象の性質は何らかの方法で計測評価されますが、木材はその計測とは無関係に実在します。ある性質の測定はその座標系への射影とみなせますので、本研究ではそれらの特定の座標系に依らない内在的な変動を評価することを試みます。例えば、いくつかの性質の測定に対応した座標系から固有ベクトル空間に写すことによって、木材の物理的な状態を評価します。
木材は、強度、組織構造、化学成分量などの様々な性質によって特徴づけられますが、それら個別の性質ではない別の視点に写して評価することによって、木材本来の特性を解明します。
木材の非破壊評価手法の開発
木材の諸性質は、例えば同じスギ材であっても大きく異なります。そのため、木材製品製造における品質管理は、基本的に全数検査を求められます。本研究では、各種木材性質を迅速かつ非破壊的に評価するための技術を開発します。