国際乾燥地農学コース
乾燥地を中心とした開発途上国における砂漠化などの環境問題や食料生産に関わる農業問題について、専門的な知識や適正な対応技術が学べます。
また、海外での実習や調査の機会を通して、国際性のある人材育成を目指します。
コースの目的
環境・農業問題の本質を理解し、乾燥地を中心とした開発途上地域における環境保全や農業農村開発で活躍できる人材を養成します。乾燥地を中心とした開発途上地域における環境・農業問題に関して、
- 関連の深い自然科学分野から社会科学分野までの専門的基礎知識を幅広く修得し、問題の本質を見抜く力を養います。
- 計測技術や評価手法を修得し、問題発見・解決能力を養います。
- 解決方法を議論し、協働して実践する力を養います。
コースの特徴
乾燥地を中心とした開発途上地域では、制限された水資源などの厳しい自然に起因する農業生産の問題、そこに暮らす人々の生活改善の問題、人の営みにより発生する環境劣化の問題など、その解決のために農学分野が果たすべき役割は多くあります。これらの問題に貢献するためには、幅広い知識に加えて、様々な国の人々と議論し、協働して問題解決に取り組める実践力が必要となります。本コースでは、ディスカッション技法を必修科目に設定し、海外フィールド実習(国際乾燥地農学実習)を実施するとともに、全学的対象のメキシコ海外実践教育等への参加を容易にするカリキュラムを構成して、学生のチャレンジ精神の醸成をはかります。また、全学教育プログラムであるグローバル人材強化プログラムに積極的に協力し、グローバルな人材育成をはかります。
卒業後の進路として、大学院進学に加え、海外部門を有する農業開発コンサルタント、農林水産省、国際協力機構等の公的機関、NGO等の国際協力団体、さらには、商社等での活躍が期待されます。


学びのキーワード
- 砂漠化防止
- 農業生産
- 農業農村開発
- 土地保全
- 水資源開発
- 生態系修復
- 環境影響評価
専門科目一覧
2年前期 | 2年後期 | 3年前期 | 3年後期 | 4年前期 | |
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講義 (必修) |
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講義 (選択) |
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演習 (必修) |
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演習・実習 (選択) |
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実験 |
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*入学年度によって異なる場合があります。
学科共通の専門科目についてはこちらから
講義内容
国際乾燥地農学概論Ⅲ-環境保全-
「生態系の保全・修復」および「物質やエネルギーの循環」を基礎として、乾燥地環境の保全や利用を考える多様な視点を養うことを目的とします。その主な内容は以下の通りです。
- 乾燥地の視点から、化石エネルギー資源の分布状況や、地球温暖化とエネルギー消費との関連性、開発途上国のエネルギー問題について学びます。
- 乾燥地生態系の劣化の現状を理解し、その修復・保全について学びます。また地球環境変化にともなう乾燥地生態系の将来について、最新の知見に触れることで理解を深めます。
- 土壌-植物-大気連続系(SPAC)にもとづく、物質循環を理解するための基礎知識および観測手法を学びます。
国際乾燥地農学実習
乾燥地もしくは開発途上地域の農業が日本のような湿潤地域の農業と異なる点を、現地(メキシコあるいはタイの乾燥地)での実習(現地協力機関による講義も含む)を通じて、作物種、有利面と不利面、土壌管理・施肥管理、栽培管理等の技術等から学びます。
海外の乾燥地もしくは開発途上地域の現場での実習を通じて、乾燥地農業の特徴と課題について、乾燥地の自然生態系、社会経済的背景を踏まえて深く理解できるようになります。そして、実習を通じた一連の体験や学修内容を踏まえて、3年次以降のコース専門教育に取り組む意欲を高め、コミュニケーションツールとしての外国語の習得と運用能力の向上を目指します。
取得可能な免許・資格(受験資格含む)
- 中学校教諭1種(理科)
- 高校教諭1種(理科・農業)
資格取得に必要な受験・認定要件が有利になる資格
- 農業土木技術管理士技術士(農業、環境、森林、建設)
主な進路・就職先
- アウトソーシングテクノロジー
- MS & Consulting
- 建設技術研究所
- 五洋建設
- ジャパンマリンポニックス
- スガノ農機
- 積水ハウス
- 大日コンサルタント
- 電源開発
- 西谷技術コンサルタント
- 日本食研グループ
- ゼンショーホールディングス
- 国土交通省(近畿地方整備局・中国地方整備局)
- 県庁(鳥取県、長崎県、兵庫県)
- 市役所(真庭市)
- 自衛隊
- 鳥取大学大学院
- 神戸大学大学院
- 京都大学大学院
- 東京農業大学大学院
- 北海道大学大学院
コース担当教員と研究テーマ
氏名 | 職名 | 教育研究分野 | 研究の概要 |
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猪迫 耕二 | 教授 | 水土環境保全学 | 「水土の知」を駆使し,世界の水土の健全化をはかる |
遠藤 常嘉 | 教授 | 乾燥地環境資源学 | 乾燥地域における環境資源の潜在的な可能性を探る |
清水 克之 | 教授 | 教授 | 農村地域における望ましい治水・利水とは何かを探求し続ける |
田川 公太朗 | 教授 | 自然エネルギー工学 | 乾燥地・途上国の持続的発展に貢献する自然エネルギー技術の開発 |
西原 英治 | 教授 | 乾燥地作物栽培学 | 作物の栽培体系に農産廃棄物等を利用した持続循環型農業の構築 |
安延 久美 | 教授 | 国際農業開発学 | 東南アジア農業・農村の多様性を理解して、社会発展に貢献する |
山田 智 | 教授 | 植物栄養学 | 塩からい水を使って、魚と野菜をそだてる |
山本 定博 | 教授 | 環境土壌学 | 地球の生命と環境の基盤である土壌の適切かつ持続的な利用と保全 |
Asres Elias Baysa | 准教授 | 国際農業普及学 | Socio-economic Studies of Rural and Agricultural Development Interventions in Developing Countries |
衣笠 利彦 | 准教授 | 乾燥地緑化保全学 | 乾燥草原の植物の生き様を知り、気候変動の影響を解明する |
齊藤 忠臣 | 准教授 | 地圏環境保全学 | 国内の湿潤地から海外の乾燥地まで「水・土・緑」を幅広く研究 |
兵頭 正浩 | 准教授 | 施設環境材料学 | 資源循環型社会に適合した農業用コンクリート施設の利活用 |
山崎 由理 | 准教授 | 水圏環境科学 | 環境と調和した持続可能な農業の姿を探求する |